柿の話

2006年秋メキシコ・グアテマラ旅行に出発する際、夫の母が

「メキシコの母さんは柿が好きだったわね、何個か持っていてあげてね!」

義母は海外旅行歴がないわけでもないのに国内旅行をする感覚なのか検疫というものがあることをすっかり忘れているようで、でもしかし真面目に言ってくれていて好意を無にするわけにもいかず

「検疫で引っかかったらそれまで没収されたら仕方ない。」

と腹をくくってZiplockに固めのを2個ずつ入れ計4個スーツケースの隙間に詰めて出発しました。

日本航空の日本からの直行便は週2便で、その便が到着すると日本からの食品持込が多いと思われる日本人旅行者に対して税関員が執拗にチェック(嫌がらせ)をする習慣が今だにあると噂では聞いていたのですが、

案の定、メキシコ市の荷物検査で(※メキシコ税関ではボタンを押し「赤信号」は荷物検査を受け「青信号」はスルーで通ることができる仕組みになっています)ボタンを押す前に別な列に誘導され「こちらに来て荷物を開けてください」と言われてしまいました。

言われたとおりにスーツケースを開くと、「これは何?、こちらは何が入っている?」と無作為にパッケージを開けて質問します。こちらも長旅で疲れていたので生のが入っていることもすっかり忘れ、次々に開けられてゆく友人知人たちへのお土産に、

「こんなことならプレゼント包装してもらうんじゃなかった」

と思ったほど包みを開けられ、きちんと詰めた荷物が再びいっぱいに膨らんでしまいました。すると「もう行っていいです。あちらの台で閉めてください」と税関員が言う。見るとは何ともなくスーツケースの下部に収まっていて問題なかった様子「本当に嫌がらせだったな・・・」と思いながら袖の下を要求されなくて良かったぁ、やれやれと気を取り直しスーツケースの鍵をしめ何事もなかったような風でゲートをくぐり、出迎えてくれた運転手ホセ・アントニオと両親との再会を喜んだのでした。

注:普通の観光旅行(ツアー)のお客様でしたら全く問題なく通過できますのでどうかご安心くださいね。

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メキシコに住んで居る娘息子に食べさせたい一心で日本米5キロ10キロを持ち込む方もいらっしゃると聞いていますし他に漬物・生もの結構持っていかれている方も多いけれど鰻など真空パックになっているものは問題なし。

メキシコ在住の方が日本からメキシコへ戻る際、イカの塩辛を持ち込み質問された暁には「ボミート」と言ってやろう!と思ったということ、ボミートとはゲロのこと。よ〜しわたしも次回は何か言葉を用意して臨もう!と思いましたよ。

しかしメキシコはアメリカと隣国、そして中南米・南米のゲートウェイとなっていて重要な拠点でもありその関係でメキシコ以北メキシコ以南からの入国審査・荷物検査が別々な場所で行われています。これは麻薬への対策でもあるそうで、それはこの後グアテマラへ行きメキシコへ再入国した時に知ったわけで手荷物に対する検査・質問の仕方からして日本から来た時とは雰囲気も違うことを肌で感じました。

グアテマラ国自体は出国の際荷物検査でテロ防止と麻薬検査に非常に厳しかったですがメキシコでは更に厳重にチェックしていた様子。

それに比べたら日本人の日本からの「お土産持込作戦」など違反に値しないので暇つぶしのようにチェックだけしているという訳なのでしょうか。

わたしのように税関で開けるだけで済んだのはよかったし、も見つからなければそれまでですが、本来違反なものもあるわけで、わかっていて懲りずに持ち込む日本人が悪いのか違反に袖の下を要求するメキシコ人が悪いのか、私が知っているだけでももう30年もの間続いているこのイタチゴッコのような相も変わらずのメキシコスタイルにちょっぴりおかしくて市内に向う車の中一人笑ってしまいました。

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はスペイン語でPersimo(ペルシャからきた果実ともいわれています)または日本語そのままKaquiで通じます。

持っていった柿を日本風に剥いてお皿に出しましたら「日本人は小さく切って出すのが好きね。でもメキシコではは十分に熟した実を半分に切りスプーンですくって食べるのよ。メキシコにも柿は売っているのに重かったでしょ」とセニョーラ・マリセラに言われました。

島田正治、日本で描いたこの秋の作品「柿の絵」

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