母の味

◎うどの「酢味噌あえ」と「うどのきんぴら」

この冬、両親が長期滞在していて、実に何年ぶりかに母の手料理を習う機会に恵まれました。

考えてみれば、母は教員という仕事を持つ「職業婦人」でしたから普通のご家庭のように母娘でお台所に立って和気藹々お料理すること自体あまり記憶にはありません。

父が夕食の支度をすることが多かったわが家では、母からは食事の後片付け洗い物のほうに気合が入って教えられたような気がします(笑)。

そして父に次ぎ母までもメキシコに住みついてしまったので両親とはもう20年以上離れて暮らしていることになります。そういえばわたしの子供も二人、出産で里帰りしている頃もありましたがご存知のようにこの時期は母も母子も寝不足続きでへとへと、お料理を「味わう」「教わる」どころではありませんし、今回お料理を「教えてもらえる」のは本当に久しぶりのことでした。

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4月銀座展覧会直前でわたしが残業をしておりましたらば、父が同級生の方からの贈り物のお酒をちびりちびりと飲みはじめました。

私:「美味しそうに飲むのね〜、いいお酒なのね」

父:「そう、ちょっとずつちびちび飲むのが美味しい」

私:「おつまみは?」

父:「今、お母さんの ”うど料理” がやってくるよ」

〜すかさず〜

母:「はいどうぞ!」

私:「う〜んっ?美味しい!!どうやって作るの?」懐石料理の一品みたい!

〜それから和子流ミニミニ料理教室の始まりです。

ちゃっちゃっと手際よく切って桂むき、白いところを短冊切りして、酢水にさらし、酢味噌で和えて一品できあがり〜。

●「そしてね、うどの残った皮はきんぴらにするのよ」お料理教室みたい!

さっと炒めて甘辛く味付け、

●「うどのきんぴらの出来上がり〜!」早い!

●「ごぼうとは違う食感と香りがいいでしょ」本当に!

●「うどは捨てるところがないのよ」得意気です。

●「今日は1本持って帰りなさい」一体全体、母はうどを何本買ったのかしら??

ここまでで10〜15分。速攻でありながら存在感のある一品です。

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家路につき、早速母の味を再現してみることにしました。

小鉢に盛り付けて「美味しい〜!」自己満足!

料理本で初めてのお料理を実践してみるのももちろん楽しいです。

しかし人から教わって「見て学ぶ」方法は舌と腕が憶えて短時間で意外に確実に身についているものなのだということ、知りました。

母の味や義母の味はそれぞれに深みがあって本当に美味しい。母とわたしのお料理の味は似ていて、たとえば他にもお惣菜で美味しいものがあると再現してみることも多く今日の味は結構イケてるんでは??な〜んて日々自我自賛しています。母や義母のように深みのある味になってゆくのは「時間と経験」です。

こうやって母から娘へと家庭の味は受け継がれてゆくものなのですね。

※母のことを想い出して。sol(6月1日)